深夜乗継/番田 
 
なんでもない時間の
どこかで 広州空港の
窓ガラスは 赤く
遠くで 点滅する


寝ていた 僕は
椅子の上で
点滅する鉄塔の趣は違う 
日本で見るものと 同じ色なのだが


同じようでいてどこか違うのだ
ご飯と 肉と ネギと
おかゆ 焼売 
懐かしさすらも奇妙に覚えない


空港の外の世界は
どのような世界なのか 
知る由もなかったけれど 僕は そこに 
どこかわからぬ人たちといた



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