メモ?/道草次郎
{引用=「少年のころ」
少年のころ道草をよく くって帰ったものだ
冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した
子供らしい体温で
大人のにおいをするどく嗅ぎつけては 分度器に触れた
(大人になりたくなくて
子供のままでいたくもなくて)
思いのほか湿潤な八月の末
湾岸戦争がはじまった
「死ぬ」 それがこわくて仕方なかった
「祈り」
ですけれど
夜になると
夜のかたちの考えかたをしはじめる
それが人間
わたしの実験はしめしあわせた形を取りつつ
はじまるのです
その
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