全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
 

(ナボコフ『神々』沼野充義訳)

思い出の中の友達ほどよい友達はいないし、思い出の恋ほどすばらしいものもないわ
(アルジス・バドリス『アメリカ鉄仮面』第九章、仁賀克雄訳)

「ときどき思うんだよ、そうした小さな幸せは、まさしく小さなものであるからこそ存在しているのだと。誰にも気にとめられずに通り過ぎていく、あの名もない人々のように」
(サバト『英雄たちと墓』第?部・4、安藤哲行訳)

どんなものだって、きみが何かを手に入れるとすれば、それは誰かが手放したからなんだ。
(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

「嘘をいう必要があると思った場合には嘘をついてきました。そして、
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