全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
 
泰訳)

物がいつ物でなくなるのだろうか?
(ロジャー・ゼラズニイ&フレッド・セイバーヘイゲン『コイルズ』14、岡部弘之訳)

有限の存在である人間が無限を知ることができるのは、有限の事物を介してのみである。
(ウンガレッティ『詩の必要』河島英昭訳)

 ぼくが読んだ本のなかに、ラブレーという作家について書かれた一冊がありました。死の床(とこ)で、ラブレーはこういったそうです。〈わたしは、不確実なものを探しに行くだけだよ〉
(R・C・ウィルスン『連環宇宙』第三十二章、茂木 健訳)

 ああ、ぼくはそんなことをすでにみな話していたな、ちがうか?
 どうだか、わからない。
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