全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
 
遺という形で一つの意味を与えるんだよ。
(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

「王さまであるのは楽しいことにちがいありませんわ、たとえ阿呆どもの王さまにしてもね」
(D・H・ロレンス『翼ある蛇』下巻・18、宮西豊逸訳)

たいした詩人ですこと
(オースン・スコット・カード『死者の代弁者』上・1、塚本淳二訳)

誰のためにも奉仕しない想像力。
(コルターサル『石蹴り遊び』その他もろもろの側から・79、土岐恒二訳)

罪深いということが、たぶん人間の条件だったのだ。
(ブライアン・W・オールディス『解放されたフランケンシュタイン』第二部・5、藤井かよ訳)

要するに、自分を
[次のページ]
戻る   Point(9)