全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
記せよ。人びとがことばをかわすとき、たがいの顔に何が起こるか、それが小説の本題なのだ
(サミュエル・R・ディレイニー『ノヴァ』6、伊藤典夫訳)
思い出が彼女の顔をやさしくしていた。
(ゼナ・ヘンダースン『血は異ならず』帰郷、宇佐川晶子訳)
幸福でさえあれば、ちっとも構わないじゃない?
(ジョン・ウィンダム『地衣騒動』1、峯岸 久訳)
じつを言えば、たいていなにをやっても楽しいのだ。
(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』13、安原和見訳)
人間はその生涯にむだなことで半分はその時間を潰している、それらのむだ事をしていなければいつも本物に近づいて行けないことも併せて感
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