月暦/guest
 
計 空腹は 動くために 仕掛けられた ぜんまい 私の 母は 私を パソコンみたいに 組み立てて コマンドを 入力するの プログラムを 実行する為に 私 それが 悲しくて 泣くの 朝が来て 名前を 呼ばれるたびに 仲間の 遠吠えが 誰の名前も 発音出来ていないことが つらくて

長い尻尾よ うさぎみたいな お耳だよ パペットであやす 子供部屋で絞殺された 壮年のあなたの 日記 死ぬって 案外 簡単なの 生きる方が 難しかったの あなたのことを 繰り返し 覚えていく 体が 光って 人の影のこと よく分からない から ただ くびきも 知らないで済んだ どこかの国の 夢をみてる

永久機関で 私を 括るつもりなんですね もう何も見なくていいように 終わりのないまま 始まってしまった お茶の時間 ああ あくびをひとつ 月が 昇ります そこに ずっと いたんですよね ずっと 探していたような気さえしてくる 輪廻も 悔悛も 知らないわ ただ 言葉が 私に 追い付いただけなんですよ ドードー 滅んでしまった あわれな 鳥を 思い出す 私 とても 惨めですね
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