愚にもつかない詩の批評理論は勘弁してほしい /室町 礼
 
か?
ロラン・バルトの主観に汲みしないからといって不誠実といわれるのか、
まったく理解の外です。
わたしはロラン・バルトと違って「唯一無二」を信じています。
「タコもイカも鯖も魚だ」という乱暴な意見には同調しません。かって
にカテゴライズするのは勝手だけどタコはタコだし、鯖は鯖です。しか
も同じものなど一つとしてない。同じタコでもみな違います。
それと同じで文体はなべて引用の集成だということが仮にあてはまる部
分があるとしても、だからといって個々の作家の文体を相対化するつも
りはありません。中田満帆さんやゼンメツさんの文体が物真似であって、
それをどうしても読めないわたしはおそらく「唯一無二」を求め
ているからでしょう。すべての人がもつ「唯一無二」を。そしてね、そ
れは頭だけでは解決できないのです。身体性が関与しないと。頭でっか
ちの人たちにいつかわかる日がくればいいのですがね。

 


戻る   Point(2)