詩壇における「籠モル化」とは何か ― 閉鎖性がもたらす評価の固定化と新規性の排除 ―/atsuchan69
 
れた言葉として再び社会に差し出す勇気である。小さな籠の中で互いを称え合うだけではなく、未知の読者に届く表現を模索すること。その営みが、詩壇の停滞を打ち破る力となるだろう。

結び

「籠モル化」という言葉は、一見揶揄のように響くが、そこに潜む問題は決して軽視できるものではない。閉鎖性がもたらす自己満足の構造を解体し、多様な声を受け入れる詩壇を築けるかどうか――それが、今後の日本詩壇にとって大きな課題である。

詩は本来、個人の内面を超え、世界に開かれたものであるはずだ。その原点を取り戻すために、私たちはいま一度「籠」の外に出る覚悟を問われているのである。


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