青い夜をみたいな/みぎめ ひだりめ
 
うもれてしまって みたいな
水の中は暗くて 入れなくなるから
青褪めた月光そのものが
ぼくらの海の底になる

ただならぬ命が泳いでいる
やわらかく沈みながら
やさしく浮かびながら
空飛ぶ鷹のように ぼくを睨んでいる
果てしない距離を睨んでいる
ただそこにあるがゆえに
霧のように いたましい
全てがあなたであるから
愛おしいと思うのか

触れられぬよう 踊ってみたいな
白い腕を風のように
ノコギリ刃のように薄くのばして
息を呑む声がする
壊すことは糸をぴんと引き伸ばすような
つめたくて身が逆立つ実感がある
泥のなかには神さまが住んでいる気がするな

青い夜を見たいな 見たい
おもい船を漕ぐように
若さが沈むように
青い夢を見たいな 見たい
糸がちぎれるように
波が静まるように
とおくとおくのように
戻る   Point(3)