図書館の掟。/田中宏輔
 
図書館長は
コピーのページをめくっていった。


  作品には未来がある。
  解釈はつねに変化するのだ。


図書館長は
またべつのメモのコピーに目をとめた。


  読み手は作者を想像する。
  作者は読み手を創造する。

  これを逆にすると
  ただ陳腐なだけだが
  真実はどちらにあるのだろうか?
  どちらにもあるのだろうか?
  どちらにもないのだろうか?

  読み手は作者を創造する。
  作者は読み手を想像する。

  もしかすると
  こうかもしれない。

  読み手は作者を創造する。
  作
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