9月の朝/ryinx
 
 グラフ化される こころのなか
 それは まるで心電図のよう

 きのうであったものが 季節の符号に置き換えられてゆく
  ひと、おしながされてゆく
 ぼくはしあわせでした
 遠い 高原の樹にもたれて

  草木のそよぐ風に靡かれていた

 遠い、記憶のなかで
  大気の、揺らぐおとを聴いていた

 ゆれる 音がきこえる
 かつて視えていたものが いまでもはっきりとみえる

  遠い 土地にいた
  つよい あめもかぜもつちのねも
  とても とてもきれいだった
  あたたかな風に、吹かれていた

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