ツギハギの思い出/つむぎ
うだった
見学の思い出
建物の中は思ったより狭くて
活気があって 書類や品物であふれていた
大人になったらテープを貼ったり荷物を積んだり
この職場で働けたら幸せだと思った
お昼は展望台に昇って食べて
妙にはしゃいでいたのだ
事務員として人として貢献できないまま
時は流れ 何度春が訪れても
時々思い出す
楽しむために 時間があった
心の根っこはあの頃と変わらない
現実的にはかなわなかった夢だけど
年は取り 一瞬の夢だったのだと思う
分からない言葉遊び
まかぷーののろいだ! と誰かが言っていた
意味のない単語からひらめいた子どもの言葉だった
まかぷーが誰だか分からないけど
笑っていたあの男子の声が楽しそうだった
陽気な顔で 何度も笑って
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