夜明けまで/
◇レキ
夜明け前の散歩
灯りのない家々を抜け
ちょっとした農道を行く
一人一人の孤独が夜露になって
暗闇を舞う小さなこうもり達の
羽を少し重くする
いつもの開けたどん突きで立ち止まり
ゆっくりと火をつける
寂しいほど煙草は美味しいね
こらえてから自然に落ちる
煙草の灰が涙みたいだ
きっとこれから白み始めて
夜の間にこびりついた
一人ぼっちの寂しさが
少しづつ忘れ去られてゆく
さっき見た夢のように
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