AI短歌という玩具について/室町 礼
う副詞を自動的に
抜いてもってきている。とうぜんその選択に逡
巡や内省や葛藤がない。つまり〈選択〉と〈転換〉
がないのです。あるのは辞書的な言葉の定義から
くる関連性だけです。
「この味がいいねと君が言ったから」という表現
との心的な関係性は存在しない。関係性ではなく
関連性だけで歌が作られている。
「ほぐせば今日はつるりと世界」なんて不気味す
ぎてブルース・リーみたく「はちゃああ」となっ
てしまう。
ということはこれはAI短歌ソフト制作者がなぜ
俵万智を選んだかという作家性の問題にもつながる
可能性がある。おそらくAIは『林檎貫通式』を
書いた飯田有子には歯が立たない
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