三日月の少し前/自画自計
 
今夜を惜しむように
違う明日を拒むように
無抵抗に寄り添う二人たち
 
つないだ手は
解かれると知りながら
シンデレラの掟すら
書き換えるようとする二人たち
 
反対の空に浮かぶ月は
まだ三日月になれずに
その名を探している
 
どこからが恋人なのか
ためらいを隠さずに
恋人のしぐさを探している
 
 
映しだせない想いを
温もりだけでしか
伝えられない二人たち
 
人の歴史は解き明かせずとも
恋の行方を知りたがる街角で
星の歴史ごと止めようと
その場を離れられずにいる二人たち
 
夜空を持てあます月が
まだ三日月になれずに
その名を探している
 
言葉はまだ歌になれず
もどかしさの吐息が
歌い方を探している
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