万華鏡/秋葉竹
 
まい
だから僕には疲れているようにみえる
君の『愛情』は
鎖と鉄球が絡まってしまっているようだ

少しは持ってる余白を
余白だけを持っていくから
顔をあげて君は
彼女へのメッセージをしっかりと書けばいい
しっかり太めの油性のマジックで
『愛しています』と

早く秋に成れればいいな
なんて陳腐で軽めで真っ赤な嘘が好き
そして風に吹かれる
錆びた空き缶を拾ってゴミ箱に入れよう
綺麗サッパリさ

君が口にする想いの意味がわからない
『ありがとう』だなんて
それは僕に云う言葉じゃないよ
その絶望の言葉と時間を埋める
新天地を探しもとめて
僕はゆくよ


振り向いてしまえばいい
振り向いてしまえばいいだけなのに
振り向いてしまえないのがもどかしい
君の瞳のなかにキラッキラの
万華鏡がみえるのがわかるから








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