COME TOGETHER。/田中宏輔
朗読じゃなくて、頼んでいない詩を朗読してくるんだけど、声がいいから、つい聴いちゃうんだよね。それに、頼んでなかった詩が、よかったりもするしね。死んだ詩人たちによる電話朗読サービス、けっこういいね。
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あしたは、雨の骨が降る。砕かれて乾いた白い雨の骨が降る。窓の外を眺めると、あしたは、きっと雨の骨で真っ白なのだろうと思う。道路も山も家々も、白い雨の骨にうずくまる。雨の白い骨に濡れた街の景色が待ち遠しい。ぼくの脳の目が見るあした、白い骨の雨が降る。
〇
病は暇から。雨粒。垂直に折れる首。線上の夕日。腰からほどける。嘘の実が実る。コップのなかの0と1。聴
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