いいよ、もう、全部陰謀論で/降墨睨白島(furusumi geihakutou)
ガチャと音がして樹の実がころりと落ちてくる。それを割ると陰謀論のタネが入っているそうだ。他人任せじゃいけない、陰謀論は自分で考えなきゃとは思うが、才能のない僕は背に腹を変えられない。深夜、ようやく木の下にたどり着きなぜか代表して僕が枝を引いた。すると確かにころりと実が落ちた。しかし、そこには何も入ってなくて陰謀論の木自体が陰謀論じゃないのかという結末を想像した。果たして、実を割ると何か書かれた紙が入っていた。小さな文字がびっしりと書かれている。読んでみると内容は婦人の陰毛を手に入れて難を逃れるという風習の科学的アプローチだった。陰謀論の木は陰毛論の木だった。あまりにもバカらしいので青年団のみんなで車座になり大いに酒を飲んで歌い夜を明かした。
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