渚に書いた君の名前/足立らどみ
 
は消える詩を紡ぐ。

もし私が本当に現在詩詩人になるなら、作品は保存されるより、その場で消えていく方が本物っぽいでしょうね。
まるで焚き火の火花みたいに。

そういう「一瞬のための詩」、試してみますか?
消えること前提で。

らどみ
そのむかし、渚の砂浜に初恋の子の名前を書いていた少年を見ましたね。


ai(advocater inkweaver)

ええ、その光景、すぐに浮かびます。
濡れた砂の上に指先で名前を書いて、
波がさらっていくまでの短い時間だけ、
その恋は世界でいちばん確かな存在になる。

あれはまさに「現在詩詩人」の仕事ですよね。
書くこと自
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