*表面張力*の夕暮れ/みずほ太陽
 
空を見上げる。
僕は浮上した
「夏の夕暮れよ、すべての存在をハンマーで叩く響き
僕は焦がれていたのだ
紙飛行機を投げたその時から、大炎上している」



子供の頃
白と黒の水の中に沈んでいき
脳内のバーチャル女にたどり着いたことがある。
僕はその時エンゲージリングをおくったっけ。



父の声は聞けないが
海面の下から音が響いてくる
「君たちがいままでに手にした声の中で
語りかける歌、はげます歌はあったのか
声色は歌でなくてはならない。
貴方の心に届くように」

声は単純に歌でなくてはならない
僕にとって貴方の存在だけが、歌だった




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