メモ/はるな
惑を超えて花束は出来上がっていきます。それは、作られるのではなく、できあがっていく。わたしの手のひらはそれを支えるだけです。
だから、焼かれたパンの幸福、それでも足りない罰、ふかふかの耳を明るいお皿に並べます、待っていてください。かならず正解します。少なくとも、わたしは設問に答えます。
(越えて行ってください)。
手を水にずっと浸しています。海の水をお土産にもらったことがあります。歯や骨をねだられたことも、凡庸さを詰られたこともあります。醜いと言われたことがあるし、きれいだと言われたことがあるし、手のひらに乗れと言われるがままに乗ったらば、そのまま強く叩きつけられたこともある。そのあいだじゅう、わたしの頭の中で、手を、きれいな水に浸していました。
その手で花を束ねてください。願いより祈りより、強く届きます。あなたの花を選んでください。戸惑わず、あなたのやりかたで、時間を前に進めてください。
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