言葉と肉体/王
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言葉を信じることが出来なかった
”ダイジョウブ”といったその裏で悲しみが蝕んでいたり
”ズット”の言葉のすぐ後にお別れが待っていたり
ではなんで言葉を紡ぐんだろう
言葉に縋るんだろう
かげろうのような言葉を人は探すんだろう
肉体を信じることが出来なかった
抱きあった身体は確かにあたたかく
何ものにも代えられないと思うのだけれど
その温もりもやがて冷たくなっていく
遠く離れてしまう
朽ちてしまう
この腕の中にあったものが一夜にしてなくなってしまう
借り物の入れ物、肉体
では何で言葉に縋りつくのだろう
肉体に触れたいんだろう
あなたと僕が存在した
何
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