悪魔さん/
印あかり
幸せになったら
地獄へ飛び立つための羽は退化して
心の中にしか生きられない花は枯れる
毒を放つ、世界一綺麗な花
「じゃあ、
わたしはしあわせになってはいけない?」
「ううん、
そんなことはないよ」
優しい目で悪魔は言う
横目で次の獲物を探している
「じゃあ、またいつか」
悪魔の立派な羽が
空を切り刻みながら飛んでいくのを
ずっと、ずっと見て
そのうち眠りにつきました
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