憂愁の中で私は/積 緋露雪00
 
だ、腐乱した私をぢっと眺めることは憚られ、
さうして倦み疲れた私は、内部の私から目を逸らす事しか出来なかったのだ。

憂愁の中で私は内部の私の甦生を全く行ふ事なく
唯、抛っておく事しか出来なかった。

雲を?むやうにしてしか、結局、私は私に対峙出来なかったのだ。
つまりは、私は内部の私を既に見捨ててゐて
それが腐りきって消滅するので残された時間を
生きる事に精一杯で、
私が私に関はる事に既に倦み疲れてゐた私は
鬱勃と私の湧泉から湧き出す憂愁に
抱き抱へられるまま
悩ましげにしながら確かに存在してゐたと思ひたかったのかもしれぬ。


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