蟻。/
田中宏輔
髑髏山の蟻塚は
罪人たちの腐りかけた屍体である。
巣穴に手を入れると
蟻どもがずわずわと這い上がってきた。
たっぷりと味わうがいい。
わたしの肉体は余すところなく美味である。
じっくりと味わうがいい。
とりわけ手と唇(くち)と陰茎は極上である。
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