ゼロ地点7/ひだかたけし
 
リズミカルに打ち寄せる波
灰白に崩れ浜辺に拡がり

漆黒の直線幾つも貫き、
後光帯びる今生の虚空、

やがて訪れる深い夜闇に
点る明澄な灯り震え揺れ動き

繋いだ手を離し
立ち上がる二人を
保護し続けて来たもの
対立し合うこの世界の響き 、
〈遺伝〉と〈個性〉と何れも
途切れ 時の裏側から侵食する暴虚 

人としての飛翔か転落か
漆黒夜闇に点る明澄な灯り 
只この瞬間のため差し出され

死に沈み込み生き返る二人、
生き動くイメージ幾つも抱え
脳髄に絶えず蠢くモノ足踏み鳴らし  

自由と責任の波打ち寄せ純白に浜辺洗い

響光の祝福の許 、それぞれの途穿ち歩み出す
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