服を脱げば皆同じ/室町 礼
 
小説を取り上げこういうことをいって
いる。

 高橋源一郎さんの作品は、まさに詩歌が当面し
 ている問題そのものであると言えます。作中の
 人物が詩をどんな風にとらえているかすぐにわ
 かるところがあります。その部分をちょっと挙
 げてみます。これは、作中の中の「私」が詩の
 学校を開いている場所に出てくるものです。

 ―もしあなたたちの誰かが心の底から、詩を書
 きたいと思い、しかもどうやって、何を、書い
 ていいのかわからなくて悩んでいるなら、ここ
 へ来てもらいたい。
 わたしはあなたの話をきく。
 話すのはあなただ。
 どんな微妙なことでも、はずかしいこと
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