カンボジア大虐殺肯定論/室町 礼
の手の施し
ようのない病いなのだ。
カンボジアで大虐殺を引き起こしたサロット・サル
はカンボジアの貧農から出て政府の奨学金でパリに
留学し電気工学の傍らマルクスを学んだ。かれの天
才はある真理を見抜いていたのは確かだ。
"知的特権階級のエリートたちが大衆を破滅させる"
かれはまだ精神が穢れていない子どもたちを武装させ、
かれらに医者、教師、政治家、文学者など知識人を選
んで殺させた。いわゆるキリングフィールドの虐殺で
ある。大量虐殺は狂気以外の何物でもないが、しかし
今になって彼が何を怖れ、何を見ていたか、わかるよ
うな気がする。
大量虐殺を肯定するわけではないとしても、サロット
・サルの見抜いていた世界はそれほど間違ったもので
はなかったのではないかと思っている。
知的エリートたちが傲慢に振る舞えば振る舞うほど
、これからも
カンボジアの悲劇は繰り返されるだろう。
そしてその逆の大衆の殺戮も。
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