量産型AI自称詩2/
花形新次
鬱積はバーボンの底に沈んで
アダルトビデオの光が
虚ろな壁を白く洗っている
横須賀の港に
希望の欠片がひとつ
錆びたまま浮かんでいる
それを信仰と呼ぶなら
あまりにも滑稽だ
フィリップ・マーロウが
安いレズビアン・バーの奥で
煙草をくゆらせている
「真実なんて、ただの装置だよ」
と、彼は言う
誰も耳を傾けない
誰も救わない
誰も救われない
この夜は
僕の中の
最後の希望すら
何もかも
塩に変えてしまう
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