シーグラス/凍湖
 
砕けたガラス、こころ
鋭角な光がきれい
どうにもできないものは水に流せよ、せよ

川の水に放たれて
砂利に磨かれて
まるい石に角をぶつけぶつけて
砕いたあっちはハンマーのままなのに
こっちだけちいさく曇ってって
無害になっていく

それでも
いつまでも
芯に
あの鋭角の光を研いでる

すっかりちいさくかわいくなっても
障子ごしの日射のような
あついけどやわらかくなった
口調で
きっと正確に刺しにいく
あのときハンマーを握っていた大きな手を
いつか

それまで磨かれて研いでる
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