AI短歌vol107/花形新次
 
通り雨癒えぬる傷に滲みゆき
ひとり自刃を夢に見ており

雷鳴に桜の木下血あざやか
散りゆく花の無垢を汚して

黒髪を手首に絡めさようなら
声も届かぬ夜の淵へと

怨み抱きナイフを隠す私鉄線
終点遠く闇を運べり

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