砂のドームドーム/秋葉竹
夏は苛烈な
陽が焼く黒目を
砂漠みたいな
街に埋もれる
砂のドームの中に生き埋められたみたい
雷が鳴るから
すこし部屋を暗くしたんだ
酔っ払って真夜中
砂のドームの中に転生したいなと
想ったって
はなし、
燃え盛る
わが身をなお焼きたいほどの辛さで。
そこには夜空が満天の孤独を
そっと地上に
振り降ろしてくれているかのようで。
いまではもう
長い孤独を飼ってしまっている。
泣かないから悲しいのか
なお前を向く力強い静けさを
そっとこころに忍ばせられれば
孤りの夜をそれでも愛した。
嘘ばかりでも
それでも愛した。
夏は来て、
夏は在り、
夏は去り、
蹂躙ののち
砂の嵐を想い出とする。
この今日も
こうして砂利噛み生き延びて
夢より綺麗な、祈りよ、届けよ
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