ヴォイド・ダンサー/みぎめ ひだりめ
街の波ぎわで ひと吹かせ
青げた煙がのぼる
冷たい宇宙は たなび風
くじらの 死骸がみえる
吸息
染まって 染まって 染まって いた
過ぎ去ってしまう さまざまに
昔読んだことばかり だな
雨もさあ ついてきて
眠れない誰かと踊って
ガラスに 爪で海を描いて
気怠げな猫の 灰色に
うずまって 生きていた
揺れた星たちを呑み込んで
寂しさみたいな 顔をして
遠くで浮いてた くじらのよう
宵空に吐き出した
きっと会えたら 今日こそさ
さよならだって 言える
君みたいにさ なれたらなあ
死骸も 砂浜になる
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