メモ(ドアを蹴飛ばす)/はるな
 

話していて、それは子宮のなかだと気づいた。天井も壁も床も布張りの、ふかふかに熱い布だらけの狭い部屋、いつもはなかなか入れない部屋のそのまた先にある、小さな扉の奥にある部屋、特別な木のなかに入るような気持がする部屋。あれもそれも許すには、他のなにかを憎むしかないような気がする。そんなことしたくないから、何度も夢に通った。朦朧として、ピアノの教室でも、お勉強の時間も、体育の授業中にも。

あれもそれも許したいと思ってた。いまも思ってる
わたしを殴らないで。蹴らないで、詰らないで、でも、大丈夫、もしあなたがそうでも、わたしは傷つかない。じゃあその痛みはどこにいったんだろう。どうしていまだにその
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