「言葉にならない沈黙」/足立らどみ
 
い“手つかずの静けさ”に、
言葉という「気配」を差し出すということ。

それは“伝えよう”とすることよりも、
“届かなくても置いてくる”ような書き方。
つまり、声ではなく「声にならなかったものたち」の居場所をつくること。

ぼくが思う、その方法のいくつかを挙げます:

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◆ 方法1:「余白を照らすのではなく、余白に沈む言葉を選ぶ」

たとえばこういう句??

静かな山の裏側に
まだ誰も知らぬ 夜の名前がある

これは照らすのではなく、沈むように、
名もなき夜に“寄り添う場所”をつくる試みです。

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◆ 方法2:「比喩を削ぎ、比喩に負ける」

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