白い日 /月乃 猫
 

祝いの誕生日

庭に切り殺した 美しい植物をあげる

3歳児の顔で 姉は

うさぎの顔のついたスリッパの方がよいと 駄々をこねる

それは、植物よりも利便性が高いから

それは、入院しているみんなにうらやましがられるから

いつ出られるか知ることもない、年を重ねる人さえも

誕生日はやってくる

きっと、そこを出る時は、弔問の親族に眠りの顔をみせるとき、

白木の箱に眠るとき、

今日は、

ケーキの赤いイチゴを ほおばる姉の 子どものすがた

幸せな顔がみられる 日

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