恋(トクベツなひとのうた)/秋葉竹
 


街をゆく人人がみな
ピエロにみえる理由
それは
アナタが
鬼女だから
なにがあってもなかっても
幼いころからみた夢を消すほど勁い
陽光が街を身を焼くだろう
アナタだけではない
人人はすべからく死へむかうものだから

世界のことなんて
だれもなにも知らないわからないそんな
わからないままの消えかけの月の
怯えがアナタを震わせる朝未明(あさまだき)

鬼や鬼女さえ泣くほどの
寂しい世界に生きる
わからないのはフリではなく
けして利口にはなれないから

知ってるね?

羽衣の揺れる松風の吹く浜辺
宇宙(そら)より堕ちた天女の微笑みに
身も心も奪わ
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