緑/fringe
分かちがたく、現実の浮き足の後に続く.
暗室の堅く閉ざされた天窓へ向かって
深より溢れ出す黒は暗闇より黒い.
...はてれ訪し返り繰...
...くいていの遠てがやにもとと環循の陽...
ささやかな優しさに触れた後に残る
低温火傷のような赤味を帯びた痛みが
脈打つ箇所を通して全身を記述する.
観念したかね と問うてくる不吉な予言は
通奏低音となり時間を
逆行させる.
二〇〇四年
九月の
隅田川に映えた
空一面に張る薄雲の白と
点在するカラスのコントラスト
論理の遍く生茂る緑を交換しては
船を折る
行為... ...緑くなはで青...
分かちがたく、現実の浮き足
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