長嶋茂雄/
無名猫
長嶋は、
地球のルールに飽きてしまったんだろう。
だから、言葉も常識も、
物理の法則さえもすっ飛ばし、
宇宙に帰った。
地球での任務を終えて。
そろそろ次の惑星に着いた頃。
「いやぁ、この星のマウンドはちょっと斜めなんですよね。そこがいいんです!」
ちょっと何を言ってるのかわからないけど、
さすがは長嶋。
空を仰いだ。
野球のベースみたいな雲。
ぬるくなった缶コーヒーの苦させいだろうか、
少し涙が出た。
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