霊雨(新訂)/ひだかたけし
此の空漠の地に
影像だけ現れては壊死し続ける、
絶えず垂直に降り注ぐ霊雨
、
人の魂に永劫の眼を刻み込みながら
魂の内に宿り今一つの生動する思惟の
人の心眼見開かれる時節を待ち続けつつ、
梅雨を蹴散らし青い青い大空の
沸騰し真夏迎える街並み無人
眠りこけるてる魂達を
焚き付ける火の刃、
ああオマエ うっとりと
何時迄も狭隘な自己を生き続け
此の空漠の地に
影像だけ吐き出し永劫は又逃れ去る、
絶えず垂直に降り注ぐ霊雨
、
人の肉身を無惨に切り刻み、哀しみの
それぞれの終焉の時に細やかな祝福送り
ただそれだけの人生かと
深く奥に潜む想いの問い掛け
生動し続ける私の内なる他者の吐息聴く
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