かつての未来 と これからの過去 の 間/ハァモニィベル
足下には今現在がある
立ち止まっても 時は止まらない
歩いても歩いても
足下は現在のままだ
鼻先にはいつも
ニンジンのような未来がある
いや在ったのだ 未来はもう横たわっている
延々と歩いてきた《過去はかつての未来》だから
眼鼻の先よりもっと向うに
本当はそれが待っている
目指しても目指さなくても
やがて踏みしめて通り過ぎる《未来はこれからの過去》だから
人は何処に向かって進んでいるのか判らない
足下は現在のままだから
足下は現在のままだから
かつての過去からこれからの未来へと進めない
かつての未来とこれからの過去の間を ただ歩きながら
不幸に向うか幸福に向うのかを 薄っすらと今意識できるにすぎない
戻る 編 削 Point(4)