クレクレ星人の独り言「悪夢から始めた物語」76/ジム・プリマス
 
 文語調と口語調の違いが理解できていないのは事実だが、それは自分で確かめる方法を探すとして、僕は、たとえ読みにくくても、夜明けの空を敢えて、紅掛空色《べにかけそらいろ》の空と、表現するほうを選択しようと思う。
 真理に近づくためには、その為のアプローチが必要であると僕は考える。古い表現を敢えて使うのは、そこに普遍的な価値が込められており、それだけの意味があると考えるからだ。僕はそこに込められた言霊の力を、自分の感覚として信じようと思う。それでも読んでくれる読者を待とうと思う。
 霊感を与えてもらったことに素直に感謝し、それを受け取った自分の感覚を信じようと思う。そこにこの物語が紡がれた意味があるのだと思う。
 これだけは言っておこう。邪な欲望と悪意に満ちた悪夢を見てから始めた物語、その動機はあくまで自分の日本人としての善意だ、それがスタートだった。 


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