痴愛(そんな言葉、ないんだけどね)/秋葉竹
 
くのは
ただ闘いたいから
三千世界に闘い挑む
紅蓮に燃える阿修羅のように
この寂しさがバレるほどなら
悪を飼っても闇に堕ちるわ




あした吹く風は
あしたの風であるように
あたしに吹く風は
あたしの風だよ
そんなわかりきったことを
忘れてしまうほどの
手も足も出ない正しさに打ちのめされたよ
そう云えば
むかし知ってた懐かしい風を想い出すと
ふと生きるためには震えているしか無いのか
って
問いたくなるんだ

ねぇ、神さま
人生って、
そんなもんなんですかねぇ


ハハ、
花は散り
花はまた散るその美より
情けなく
君だけが好き
そのゆめの
ような揺蕩うためらいと
花は散り
花はまた散りその揺れる
想いをもって痴愛と想う

あゝ、ゆめよ
このゆめなかに棲む鬼よ、
このほんとうを痴愛と断ぜよ








戻る   Point(2)