カーテン/魚骨堂
 
かーてん

ロシア娘の骨に似て
見る影もなくやせ細っていた紫陽花
もうすぐ
あと数日で雨粒に濡れて
涙が乾かない私の目を慰めてくれるだろう

この部屋から移り気な花が見えたのは昔
今は四角く区切られた空と
灰色の壁しか見えない
私はそんな窓辺が嫌い
まるで私の未来を描いているかのよう
だから水色のカーテンを閉めて
いつか降り出すはずの雨音を待っている

それだのに
曇天の間から差し込む太陽を探す時間が
私は愛おしい
ほんの少し
ほんの少しだけカーテンを開けて
心が覗きたがってるから
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