道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに/ホロウ・シカエルボク
ていればいい、殊更に根拠の無い楽しさや充実を掲げて歩く必要など無い、入口で嘘をついたらきっと出口に辿り着くことは出来ない、それぐらいのことは容易に想像がつく、装えばそこで終わるのさ、静かに、思うがままに、こちらでいいのか、なんて、歩き始めてから考えても仕方が無い、こちらに行くと決めたらそこがどんな道でも歩き続けてみればいい、必要なら横道は現れるし、Uターンして帰るべき時にも気づくことは出来る、でもそれは往々にして、余計なことをしないで歩き続けていた方がマシだという結果になる、俺はすべての景色を言葉に変える、そこにはもちろん俺自身も含まれている、それを続けていればいい、俺は外界に過度な興味を持たない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)