もしもあの時・・とおもうとき/けいこ
 
を知ったのは随分後になってからだ。

その寮には一学期しかおらず、私は田舎へ帰らされた。
母は居残り、私は祖母とふたりの生活が始まった。

「もしもあのとき・・」あのまま寮に居て近くの中学校へ通っていたら、と思うことがある。母は田舎から都会に出て、私を田舎へ帰してのちに別府で開業した。
どうしてそのような生活をしていたのだろう。
あの学校へ行ったことは忘れられないほど良い思い出だったけれど、女ひとりで子供を育てるのはそんなに安定しないものだったのか。

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