天才医師/あゆやか
 
 書くことは生きること。
 それは手術のようなもの。
 自分の中を見せて取り出し
 相手に渡す。
 簡単でしょ?
 書くだけなんだから。
 今これを書いている俺は
 心を削ってない。
 自然に身を任せて書いている。
 まるで、切り取るところが見えてくる。
 それが今の俺だ。
 天才医師だろ?
 ……もちろんこれは皮肉だ。
 でも、書くなら注意した方がいい。
 麻酔はない。
 血を止める手段はない。
 それに一人だ。
 まあ、それが心地いいんだけどね。
 俺にとっては。
 君はどうなんだ?
 これを聞いて書きたいと思った?
 思ったなら創作に向いているよ。
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