だらしないかも知れない。/かのこ
「苦しい」の言葉一つで
泣きそうになるよ。
この手は
いっつも伸びきって
ながれる水もすくえないから
連れていって。
「なんでもないんだから」と言いながら
むずかしい話は、今日はよそう。
ずっと戻りたかった
きづかないうちに走り出す、身体
どこにいってしまったのかと
もうあきらめるしかないのかと
ただ立ちすくんでた。
連れていって。
すずしい風が肌を再構築していく
最期を待つ夕方のカタバミを
ファインダーにおさめよう。
「えらいね」そう言葉一つで
泣きそうになるよ。
この手は
いっつも泳ぎ疲れて
つなぐ先をさがしているから
連れていって。
この手を、是非とって。
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