断層/群青透夜
亡失しそうな俺に、
君の柔らかな双眸が映り、
気紛れに、
ふと蘇った。
股座が、
こそばゆい。
そんなことが新鮮で、
幼子のように、
君に戯れ付くと、
嗚咽を、漏らした。
それきり、
床に踞って、
水を啜るばかり。
遠い頭痛が、
意識の輪郭を、
なぞるように照らす。
チクショウ。
午前2時、
絶対零度の世界線。
滅びても、
構わない。
そんな闇夜のこと。
ミシリとも言わぬ、
日常の断末魔。
微塵も残らなかった、
愉悦。
それでもいい。
君とともに、在るなら。
窓を開けると、
風が凪いでいる。
躰の芯がまだ、
ヒリヒリする。
??遠いな。
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